行政書士試験、40文字記述式問題の攻略法とは?解法テクニック教えます!

行政書士試験の、40文字記述式問題は、苦手意識をもっている人が非常に多いです。

しかし、この問題形式は、いくつかのコツをマスターできれば、それほど恐れるものではありません。
この記事では、記述式問題のアプローチの仕方を考え、それにもとづいて実際の問題を解いてみることで、40文字記述式問題の攻略法を明らかにしたいと思います。
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記述式のヒントは、問題文の中に含まれている

実は40文字記述問題は、記述式と言いながら、実質的には「穴埋め問題」なのです。

どういうことかというと、自由文字数の論文式試験とは違い、40文字で簡潔に(しかも判例の判断を踏まえ)問題の解答を書くには、一定の書き方、試験委員の考える模範解答が存在します。
その模範解答の形式は、問題の中に誘導されているんです。

実際の試験会場では、その問題文の中の誘導にしたがって、文章の枠組みを決め(穴埋め問題化し)、その文章の中で必要な言葉を埋める(穴を埋める)ようにすれば、解答が出せるようになっています。
無理に自分で文章をつくろうとすると、逆にドツボにハマるのが、この40文字記述試験なのです。

具体的に、本試験の問題を使って検討してみましょう。

平成25年度の行政法

まずは、平成25年度の第44問、行政法の問題です。

問題44
Aが建築基準法に基づく建築確認を得て自己の所有地に建物を建設し始めたところ、隣接地に居住するBは、当該建築確認の取消しを求めて取消訴訟を提起すると共に、執行停止を申し立てた。執行停止の申立てが却下されたことからAが建設を続けた結果、訴訟係属中に建物が完成し、検査済証が交付された。最高裁判所の判例によると、この場合、①建築確認の法的効果がどのようなものであるため、②工事完了がBの訴えの訴訟要件にどのような影響を与え、③どのような判決が下されることになるか。40字程度で記述しなさい。

問題文の誘導は、「①建築確認の法的効果がどのようなものであるため、②工事完了がBの訴えの訴訟要件にどのような影響を与え、③どのような判決が下されることになるか。」となっています。

これを素直に読めば、解答となる文章の枠組みは、「◯◯の法的効果があるため、◯◯の訴訟要件には◯◯の影響があり、◯◯の判決が下される。」となります。

ここから、問題の内容を考えると、建築確認の執行停止申立ては却下されており、そのまま建設が終了したので、建築確認は「適法に工事ができる法的効果がある」ということになります。
そうすると、建築確認の取消訴訟において、Bは訴訟要件として「訴えの利益を失う」ことになります。
訴えの利益を失った以上、Bは取消訴訟の原告適格を欠きますので、「却下の判決が下される」ことになります。

これを解答にすると、「適法に工事ができる法的効果があるため、訴えの利益が失われ、却下の判決が下される。」となります。これで40文字です。

なお、行政書士試験センターの模範解答は、こんな感じでした。
gyousei44

ほぼ同じといっていいのではないでしょうか。
もちろん、穴埋めをするための基本的な知識は要りますが、記述式の解答のハードルはかなり下がるのではないかと思います。

もう一問やってみましょう。

平成26年度の民法

同じように、平成26年度の民法の問題を使って検討してみましょう。

問題45
Aは複数の債権者から債務を負っていたところ、債権者の一人で懇意にしているBと相談の上、Bに優先的な満足を得させる意図で、A所有の唯一の財産である甲土地を、代物弁済としてBに譲渡した。その後、Bは同土地を、上記事情を知らないCに時価で売却し、順次、移転登記がなされた。この場合において、Aの他の債権者Xは、自己の債権を保全するために、どのような権利に基づき、誰を相手として、どのような対応をとればよいか。判例の立場を踏まえて40字程度で記述しなさい。

最後の誘導文から、解答となる文章の枠組みは、「◯◯の権利に基づき、◯◯を相手として、◯◯をする。」とこんな感じですかね。これで25文字ですから、穴埋め部分が少し多くなります。

ここから問題の内容を考えます。

Aは、複数の債権者のうち、Bに優先的な満足を得させる目的で(詐害意思)、唯一の財産(無資力要件)を代物弁済しています(詐害行為)。ABは相談していますから、Bは詐害について悪意です。これは典型的な詐害行為取消権(民法424条)の問題です。

詐害行為取消権は、債権者が、債務者と受益者、転得者の契約を取消し、逸失財産を取り戻す制度です。そして、本問の場合、Bは善意のCに土地を移転していますから、Cは確定的に土地の所有権を取得し、BC間譲渡を取り消すことはできません。

したがって、Xとしては、AB間の代物弁済契約を取消して、土地の売却代金相当分を価格賠償させるということになります。
そして詐害行為取消権は、裁判で請求する必要があります。

これらを踏まえると、解答は下記のようになります。

「詐害行為取消権に基づき、Bを相手として、裁判でAB間代物弁済の取消及び価格賠償を求める。」これで43文字ですね。

行政書士試験センターの模範解答は、こんな感じでした。
minpou45

これもほぼ問題なしですね。満点に近い点が来ると思います。

以上のようなやり方で、全問が解けるかというと、解きにくい問題もありますので、絶対の方法ではありませんが、3問中2問は取れると思いますし、それで十分合格点は取れます。

もし、40文字記述式問題に苦手意識があるのであれば、この「問題文の穴埋め化」方式を普段の勉強法に取り入れてみて下さい。

結構役に立つのではないかと思います。

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