ざっくり法学入門③

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ざっくり法学入門②
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ざっくり法学入門③では、法の分類や効力について見ていきます。
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法の分類について

法の分類の仕方については色々ありますが、その中で主要なものを見てみます。

公法と私法

公法というのは、国家と国家や、国家機関・地方公共団体などとの組織や、これらと国民との関係を定める法令をいいます。
具体的には、憲法や地方自治法、刑法や刑事訴訟法などが挙げられます。

これに対して、私法というのは、国民同士、個人同士の相互関係を規定したものです。
例えば、民法や商法などが有名ドコロでしょう。

一般法と特別法

これは前回も触れましたが、一般法というのは対象・場所・事柄について一般的に効力を有する法令をいいます。
特別法とは、特定の対象・特定の場所・特定の事柄に限って適用される法令です。

前回挙げた民法と商法との関係は典型例ですが、その他に民法の賃貸借契約に関する特別法として、借地借家法があったり、民事訴訟法の特別法として、行政事件訴訟法が定められていたりします。

市民法と社会法

これは少し歴史の話が必要です。高校の政治経済、公民、世界史といった科目の中で少し取り上げられたかもしれません。

近代国家においては、国家は個人の経済活動には極力介入しないで、個人が自由に経済活動を行っていけば資本主義経済が発達していくと考えられました。(夜警国家思想といいます)
アダム・スミスが国富論という書物の中で、市場においては、各個人の利己的な行動の集積が、社会全体の利益をもたらすという調整機能(市場原理)があるとして、これを「神の見えざる手」と称しました。

そこで近代国家では、3つの原則が定められました。

  1. 契約自由の原則(私的自治):これは、個人が契約を結ぶときは、誰とどんな内容で、どんな立場ででも対等に契約を交わすことができる
  2. 所有権絶対(不可侵)の原則:個人が獲得した財産は、運用処分について個人の自由な意思に委ねられる
  3. 自己責任(過失責任)の原則:個人の生活はもっぱら個人が自分で責任を負わねばならない。

これら原則に基づいて規定されたのが、民法や商法、手形法、小切手法などの私的ルールを定めた法律です。

しかし、資本主義社会においては、資本家による労働者の搾取、大企業による市場独占や消費者利益の不保護などが発生し、失業問題や公害、交通災害など、社会的弱者の生存権が危うくなってしまいました。
そのため、市民法を実質的平等の観点から修正し、自由な契約を一定程度制限するための法律が作られるようになりました。これが社会法です。

社会法の例としては、民法の雇用契約について修正する労働法や、企業の市場独占を禁止する独占禁止法、民法の契約自由原則を、消費者保護の面から修正する消費者保護法、社会的弱者の生存権を保護する生活保護法などが有名です。

実体法と手続法

実体法というのは、権利義務の発生や、変更、消滅など、法律関係の実体を規定する法です。
手続法というのは、実体法で定められた権利義務を実現する手続きを定める法をいいます。

例えば、刑法は犯罪と刑罰を定めた実体法で、これを実現する手続きを定めたのが刑事訴訟法という手続法です。

実定法と自然法

実定法とは、特定の社会で実際に効力を持つ法のことをいい、我々が考える法律一般のことを指します。
これに対し、自然法とは、自然や人間の理性に基づく永久不変の法とされます。法律を根拠付ける「正義」ともいうべきものと考えればいいでしょう。
キリスト教的に言えば、自然法というのは神の法ということになるんでしょうか。

自然法に反する法律は認められず、実定法は自然法に根拠付けられて存在が認められる、という関係にあります。(悪法は法ではない)

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長くなったので、ざっくり法学入門④に移ります。

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