ざっくり法学入門④

ざっくり法学入門③から引き続いて、法令の効力について書いていきたいと思います。
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法令が効力を持つのはいつからか?

法律の成立

法律は、憲法の特別の規定がある場合を除いては、衆議院と参議院が議決したときに成立します。(憲法59条1項)

法律の公布

成立した法律は、国民に対して公布され、国民が法令を知ることが出来る状態におかれます
法律を公布することは、天皇の国事行為の一つです。(憲法7条1号)

法律の公布は、通常は官報に掲載してなされます。

法律の施行

公布された法律は、一定の期間を経て、施行されます。施行とは、法令の効力が一般的に発動し作用することをいいます。
したがって、法令が効力を持つのは、この施行のときからということになります。

法律は、別段の定めがない場合は、「公布の日から起算して20日を経過した日から施行される」(法の適用に関する通則法2条)ということになっています。

法律不遡及の原則

法令は、特に定めがない限り、将来に向かって適用され、その法令が施行される前に起こった事実には適用されないのが原則です。
これを法律不遡及の原則といいます。

また、刑罰法規は、遡及的適用が禁止されています(憲法39条)。
実行のときに適法だった行為が、その後に違法になったからといって処罰されるということでは、法律が行為規範として機能しなくなるからです。

対象(人)に対する効力

法令を誰に適用するか、については3つの考え方があります。
どれか一つというわけではなく、法令の性質に合わせて組み合わされています。

属地主義

日本の領土内では、外国人にも適用されるが、領土外では日本人も規制することはできないという考え方です。

属人主義

属地主義とは逆に、日本国民であれば、その領土外であっても本国法に従うべきという考え方です。

保護主義

これは刑罰法規における考え方で、時刻の重要な利益の保護を目的に、自国または自国民の法益を侵害する一定の重大犯罪に対し、犯人の国籍や犯罪地を問わずすべての犯人に日本の刑法の適用を認める考え方です。
典型的な例としては、外国人によるテロ行為ですね。

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先日この記事で取り上げた、刑法の国外犯規定は典型的な保護主義規定となります。

場所に対する効力

法律の適用される場所は、原則として、我が国の領域(領土・領海・領空)すべてにわたるとされます。
ただし、例外的に、日本国籍の船舶や航空機内で起きた事件事故などについては、たとえ公海上であっても日本法が適用になります。

また、地方公共団体の条例や規則などは、その地方公共団体の区域内でのみ効力があります。
地域自治特別法なども、法律ですが、特定の地方公共団体でのみ適用されるという意味で例外的です。

次回は法の解釈について検討してみましょう。

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